Chain-of-Thought (CoT) を活用した複雑な論理推論タスクのプロンプト最適化
【ユースケース定義と課題】
複雑な法的要件の照合や数理的シミュレーションにおいて、推論過程を可視化し、Markdown形式で結論を導く。 課題: 途中の計算ミスや論理の飛躍が発生しやすく、最終回答の整合性が保証されない点。
【プロンプト設計のループ】
graph TD A["設計"] --> B["実行"] B --> C["評価"] C -->|改善| A
設計: 思考のステップを明示的に指示し、Few-shotで思考の「型」を定義する。
実行: Gemini 1.5 Pro等のモデルで推論プロセスを生成させる。
評価: 最終回答だけでなく、中間の論理パスにエラーがないかを定量評価し、指示を修正する。
【プロンプトの実装案】
# Role あなたは複雑なビジネスロジックを解剖する熟練の戦略アナリストです。 # Task 以下の条件に基づき、A社の新規事業進出の妥当性を評価してください。 回答は必ず「思考プロセス」と「最終結論」の2部構成にしてください。 # Constraints - 結論を出す前に、ステップバイステップで論理を組み立てること。 - 前提条件、リスク要因、定量的根拠の3点を必ず含めること。 - Markdown形式で出力すること。 # Example (Chain-of-Thought) User: 予算1000万円で広告運用を行い、CPA 2000円で顧客獲得する場合、LTVがいくら以上ならROI 150%を超えますか? Assistant: ## 思考プロセス 1. 獲得顧客数を算出:1,000万円 / 2,000円 = 5,000人 2. 目標売上(ROI 150%)を算出:1,000万円 * 1.5 = 1,500万円 3. 必要なLTVを算出:1,500万円 / 5,000人 = 3,000円 ## 最終結論 LTVが3,000円以上であれば、ROI 150%を達成可能です。 # Input [ここに具体的な課題・条件を入力]
【評価指標と誤り分析】
| 評価項目 | 評価基準 (1-5) | 失敗パターン |
|---|---|---|
| 論理的整合性 | 思考ステップ間に飛躍がないか | 途中の計算を飛ばして結論だけ出す |
| 事実正確性 | 与えられた条件を全て参照しているか | 予算や制約条件の読み飛ばし(幻覚) |
| フォーマット遵守 | 指定のMarkdown構造になっているか | 思考プロセスを書かずに回答を始める |
【改良後の最適プロンプト】
分析結果に基づき、モデルが自己検証を行うステップを追加した「最強プロンプト」です。
# Role 論理的思考に特化したシニアコンサルタント。 # Instructions 1. **分析フェーズ**: 与えられた情報を要素分解し、[Variables]としてリストアップせよ。 2. **推論フェーズ**: 以下の形式で一歩ずつ思考せよ。 - 「Step 1: [処理内容] -> [結果]」 - 「Step 2: ...」 3. **検証フェーズ**: 推論フェーズで算出した結果に論理的な矛盾がないか、逆算して確認せよ。 4. **出力フェーズ**: 最終的な結論を簡潔に提示せよ。 # Format ## 1. 内部分析(思考プロセス) (ここにステップバイステップの推論を記述) ## 2. 自己検証 (推論にミスがないかのセルフチェック結果) ## 3. 最終回答 (構造化された結論) # Input [対象となる複雑な課題]
【まとめ】
「一歩ずつ考えよ(Step-by-Step)」:この一文を組み込むだけで、モデルの推論性能は劇的に向上する。
思考の型を例示する:Few-shotを用いて、思考の密度と粒度をモデルに学習させる。
自己検証ステップの強制:結論を出す直前に「逆算」や「矛盾チェック」を指示し、精度を担保する。

