令和4年度 秋期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅱ 問1 CSMA/CA
無線LANの媒体アクセス制御方式におけるIFSの優先制御を問う。フレーム間隔が短いほど優先度が高いという法則を理解することが解法の核だ。
【問題】
IEEE 802.11無線LANのMAC層で使われるCSMA/CA方式において、送信を待機しなければならないフレーム間隔(IFS:Inter Frame Space)のうち、最も短いものはどれか。
ア DIFS イ EIFS ウ PIFS エ SIFS
【解説】
CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)では、複数の端末が同時に送信して衝突が発生するのを防ぐため、フレーム送信前に一定の待機時間を設ける。この待機時間をIFSと呼び、用途に応じて複数の長さが定義されている。
待機時間が短いほど、そのフレームは「メディアが空いた」と判断して早く送信できるため、優先度が高くなる。
フレーム間隔の優先順位
$$ SIFS < PIFS < DIFS < EIFS $$
gantt
title IEEE 802.11 Inter Frame Space (IFS)
dateFormat X
axisFormat %s
section Frame Access
Busy Period :done, des1, 0, 5
SIFS (ACK/CTS等) :active, des2, 5, 7
PIFS (PCFアクセス) :des3, 5, 9
DIFS (通常データ) :des4, 5, 12
Backoff Slot :des5, 12, 16
SIFS (Short IFS): ACK、CTS、分断されたフラグメントの送信など、即座に応答が必要な制御用。
PIFS (PCF IFS): 無線アクセスポイントが優先的に通信を制御するPCF(Point Coordination Function)用。
DIFS (DCF IFS): 通常のデータフレーム送信(Distributed Coordination Function)用。
EIFS (Extended IFS): フレーム受信エラーが発生した際に、同期を立て直すために設けられる最長の待機時間。
【選択肢の吟味】
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| ア | 誤り | DIFSは通常データ送信用であり、SIFSやPIFSよりも長い。 |
| イ | 誤り | EIFSは受信エラー時の再同期用であり、定義されているIFSの中で最も長い。 |
| ウ | 誤り | PIFSはアクセスポイントによる優先制御用であり、SIFSよりも長い。 |
| エ | 正解 | SIFSは応答制御用として定義されている最短の待機時間である。 |
【ポイント】
反比例の法則: 待機時間(IFS)が短いほど、通信の優先順位は高くなる。
SIFSの用途: ACKフレームやCTSフレームなど、一連のシーケンスを完結させるための制御に使われる。
DIFSの役割: 一般的なPC端末がデータを送る際に必ず待つ必要がある標準的な時間。

