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Microsoft Excelとは?M365 E3/E5で使える分析・自動化を初心者向けに整理
この記事について
Microsoft Excelを「表を作るソフト」で終わらせず、入力、集計、データ整形、共同編集、自動化まで、仕事でどう使い分けるかを初心者向けに整理します。Microsoft公式情報を2026年9月17日時点で確認し、E3/E5の位置づけと、Power Query・VBA・Office Scriptsなど役割の違う機能を分けて説明します。検証ステータス:📘 Microsoft公式情報確認済み・実機未確認(2026-09-17)
Excelは表計算アプリですが、実務では「データを受け取る → 整える → 計算する → 確認する → 人に見せる」を1つのファイルで試せることが大きな強みです。
一方で、何でもExcelへ詰め込むと「誰が直したか分からない」「毎月同じコピペをする」「数式を壊した」「最新版が分からない」という問題も起きます。この記事では、そこから一歩進んだ使い方を扱います。
まず用語を6つだけ覚える
| 用語 | やさしい意味 | 身近な例 |
|---|---|---|
| 数式 | セルの値から答えを計算する式 | =SUM(B2:B10) で合計する |
| 関数 | よく使う計算を部品化したもの | XLOOKUPで社員番号から氏名を探す |
| テーブル | 行・列をひとかたまりのデータとして扱う仕組み | 売上一覧を追加行まで含めて管理する |
| Power Query | 外部データを取り込み、同じ整形手順を繰り返す機能 | 毎月届くCSVの不要列を自動で外す |
| VBA | デスクトップ版Officeを自動操作するプログラミング機能 | ブック内のシート名を一覧にする |
| Office Scripts | Excelの操作をTypeScriptベースで自動化する仕組み | ブックのシート構成を取得する |
Power Queryは「計算式」ではなく、データをExcelへ入れる前後の掃除手順を記録する道具と考えると分かりやすくなります。
Excelを中心にしたデータの全体像
Excelそのものの画面だけを見るより、データがどこから来てどこへ行くかを見ると役割が分かります。
flowchart LR
CSV[CSV / テキスト] --> PQ[Power Query\n取り込み・整形]
DB[(業務データ)] --> PQ
PQ --> TABLE[Excelテーブル]
TABLE --> FORMULA[数式・XLOOKUP\n集計・判定]
TABLE --> CHART[グラフ・ピボット]
TABLE --> AUTO[VBA / Office Scripts\n定型作業の補助]
FORMULA --> REPORT[確認用レポート]
CHART --> REPORT
これはネットワーク図ではなく、データの構成図です。記事によっては、処理フローだけでなく、このような構成図、関係図、シーケンス図、権限図など「理解に最も合う図」を使います。
E3とE5でExcelが別物になる?
Microsoftの現行サービス説明では、Microsoft 365 E3/Office 365 E3とMicrosoft 365 E5/Office 365 E5の双方でMicrosoft 365 Apps for the webとデスクトップクライアントアプリが提供されます。Excelを使うこと自体がE5専用というわけではありません。
| 確認したいこと | M365 E3 | M365 E5 | 補足 |
|---|---|---|---|
| Excel for the web | 利用可能 | 利用可能 | ブラウザー利用 |
| Excelデスクトップ | 利用可能 | 利用可能 | PC/Macのアプリ |
| Power Query | 利用可能なExcel環境で利用 | 利用可能なExcel環境で利用 | 機能差はクライアントや接続先も確認 |
| Power BI Pro | E3の標準機能として同一視しない | E5ではプラン表上「Power BI: Yes」 | Excelとは別サービスとして考える |
| Microsoft 365 Copilot | 契約を別途確認 | 契約を別途確認 | E3/E5だけを見て利用可と断定しない |
ここでも、E3/E5の差と、Web版/デスクトップ版の差は別問題です。
まず試す:XLOOKUPで2つの一覧をつなぐ
たとえばA列に社員番号、B列に氏名がある「社員マスタ」があり、E2に調べたい社員番号があるとします。
=XLOOKUP(E2,$A$2:$A$100,$B$2:$B$100,"見つかりません")
何をしている?
E2の値をA2:A100から探し、同じ行のB列を返しています。最後の「見つかりません」は、該当する番号がなかったときの表示です。
成功すると?
E2の社員番号を変えると、対応する氏名が変わります。存在しない番号では「見つかりません」と表示されます。
1か所変える
返す範囲を氏名列から部署列へ変更します。これで「探す列」と「答えとして返す列」は別に指定できることが分かります。
身近な例:毎月CSVを手で加工していない?
毎月こんな作業をしているとします。
CSVを開く
不要な列を削除
日付の表示を直す
部署で絞る
別のExcelへコピー
翌月も同じことをする
この場合、最初に考えたいのがPower Queryです。
sequenceDiagram
participant U as 利用者
participant F as 毎月のCSV
participant Q as Power Query
participant E as Excelレポート
U->>F: 新しいCSVを用意
U->>Q: 更新を実行
Q->>F: データを読み取る
Q->>Q: 登録済みの整形手順を再実行
Q->>E: 整形後データを読み込む
E-->>U: 同じ形の表で確認
この図で大切なのは、Power Queryが「毎月の結果」を覚えるのではなく、どう整形したかという手順を再利用する点です。
Papanda実践1:PowerShellでCSVを壊さず観察する
Excelで開く前に、CSVの列名と先頭3行だけを見る読み取り例です。
$path = "$env:USERPROFILE\Documents\sample.csv"
if (Test-Path -LiteralPath $path) {
$rows = Import-Csv -LiteralPath $path
$rows | Select-Object -First 3
$rows | Get-Member -MemberType NoteProperty | Select-Object Name
} else {
Write-Host "[NOT FOUND] $path"
}
何を見る?
元CSVを書き換えず、どんな列があり、先頭にどんな値が入っているかを確認します。
成功すると?
先頭3行と列名がコンソールに表示されます。
1か所変える
-First 3を-First 10へ変えます。データそのものを変更せず、確認範囲だけを増やせます。
これはDaily Code Sampleへ切り出しやすい安全な題材です。
Papanda実践2:VBAでブックのシート名を見る
デスクトップ版Excelで、現在のブックにどんなシートがあるかを見るだけの例です。
Sub ListWorksheetNames()
Dim ws As Worksheet
For Each ws In ThisWorkbook.Worksheets
Debug.Print ws.Name
Next ws
End Sub
ThisWorkbook.Worksheetsは、このVBAコードが入っているブックのワークシートを表します。セルを書き換えないため、VBAの入口として試しやすい例です。
成功するとイミディエイトウィンドウにシート名が並びます。テスト用シートを1枚追加して再実行すると、その名前が増えることを確認できます。
会社PCでマクロが禁止されている場合は、設定を勝手に解除せず管理者ルールに従ってください。
Papanda実践3:Office Scriptsではまず読む
Office Scriptsを利用できる環境なら、アクティブなワークシート名をログへ出すところから始めます。
function main(workbook: ExcelScript.Workbook) {
const sheet = workbook.getActiveWorksheet();
console.log(`Active sheet: ${sheet.getName()}`);
}
成功すると現在のシート名がログに出ます。別シートを選んで再実行すれば結果が変わります。最初から大量セルの更新・削除をするより、取得→確認→小さな変更の順で覚える方が安全です。
共同編集ではVBA編集にも注意
MicrosoftはExcel共同編集のベストプラクティスで、共同編集中にVBAコードやマクロを編集すると他の利用者へ影響する可能性があるため、コード編集は他の人がブックを操作していないときに行うことを推奨しています。
つまり「OneDrive/SharePointに置けば何をしても安全」ではありません。共同編集する表と、VBAを頻繁に改修するブックでは運用方法も考えます。
Excelをデータベース代わりにしすぎない
Excelが便利だからこそ、次の状態になったら別の仕組みも検討します。
| 状態 | 考えること |
|---|---|
| 多人数が常時入力 | Listsや業務アプリの方が適するか |
| 大量データを毎回手加工 | Power Queryで再現可能にできないか |
| ダッシュボードを多数へ配布 | Power BI等が適するか |
| マクロ1人しか直せない | 手順・仕様を残せるか |
| 「最終版.xlsx」が増殖 | OneDrive/SharePointで共同管理できないか |
Copilotを使える環境なら「勝手に直させない」
この表を確認し、欠損値・重複・異常に大きい値がありそうな列を列名付きで指摘してください。 値や数式は変更しないでください。 判断根拠と、人間が確認すべきセル範囲を分けて示してください。 数値・日付については推測で補完しないでください。
最初から「データをきれいにして」と頼むより、異常候補を探す → 人間が確認する → 必要な変更だけ行う方が検証しやすくなります。
管理者が確認する点
Microsoft 365 Appsの展開・更新
マクロ/VBAポリシー
Office Scriptsの利用可否
OneDrive/SharePointの共有範囲
外部データ接続と資格情報
秘密度ラベル
Copilotを利用する場合のライセンスとデータアクセス範囲
秘密度ラベルは、たとえば「社外秘」「機密」などの分類をデータへ付け、組織の設定に応じて保護へつなげる仕組みです。Excelだけの機能としてではなくMicrosoft Purview側の管理と合わせて考えます。
公式情報・一次情報
Excelは「表を作るアプリ」ではなく、データを観察し、同じ作業を再現可能にし、小さな自動化へつなげる作業台として見ると、Power Query・VBA・Office Scriptsの役割も整理しやすくなります。
