午前2「SQLインジェクション」解説

Tech

ネットワークデータ転送時間はデータ量と帯域幅で決定。計算式の理解と単位換算が必須。

背景

現代のITシステムにおいて、ネットワークを介したデータ転送は基盤となる機能である。特に、クラウドサービス連携、バックアップ、大容量ファイル配信など、大量のデータを扱う場面では、転送にかかる時間の予測がシステム設計や運用計画の重要な要素となる。効率的なシステム構築には、正確な転送時間見積もり能力が不可欠である。

問題点

IPA午前2の試験では、提示されたデータ量、ネットワークの理論帯域幅または実効スループットから、データ転送時間を算出させる問題が出題される。受験者が直面しやすい問題点は、データ量の単位(バイト)と帯域幅の単位(ビット/秒)の混同、およびメガ(M)やギガ(G)といった接頭辞の換算ミスである。これらを正確に理解し、適用しなければ、正しい転送時間を算出できない。

計算と手順

データ転送時間は以下の基本式で算出される。

転送時間 (秒) = データ量 (ビット) / 帯域幅 (bps)

この計算を正確に行うための手順を以下に示す。

  1. データ量の単位換算:

    • データ量は通常、バイト(Byte: B)で示されるが、ネットワーク帯域幅はビット/秒(bits per second: bps)で示されるため、データ量をビットに変換する必要がある。
    • 1 バイト (B) = 8 ビット (bit)
    • 例: 100 MB (メガバイト) をビットに変換する場合
      • 100 MB = 100 × 1024 × 1024 バイト
      • 100 MB = 100 × 1024 × 1024 × 8 ビット ≈ 838,860,800 ビット
  2. 帯域幅の単位確認と調整:

    • ネットワーク帯域幅は通常、Mbps(メガビット/秒)やGbps(ギガビット/秒)で示される。これをbps(ビット/秒)に統一する。
    • 1 Mbps = 1,000,000 bps (SI接頭辞、情報通信分野で一般的)
    • 1 Gbps = 1,000,000,000 bps
    • 問題文で「実効スループット」が与えられている場合は、その値を帯域幅として使用する。理論帯域幅よりも実効スループットの方が実際に近い転送速度を示すためである。
  3. 転送時間の計算:

    • 上記で変換したデータ量(ビット)を、統一した帯域幅(bps)で割る。

計算例: データ量:500 MB ネットワーク帯域幅(実効スループット):200 Mbps

  1. データ量をビットに変換:

    • 500 MB = 500 × 1024 × 1024 バイト
    • 500 MB = 500 × 1024 × 1024 × 8 ビット = 4,194,304,000 ビット
  2. 帯域幅をbpsに変換:

    • 200 Mbps = 200 × 1,000,000 bps = 200,000,000 bps
  3. 転送時間を計算:

    • 転送時間 = 4,194,304,000 ビット / 200,000,000 bps = 20.97152 秒

データ転送の概念を図示する。

graph TD
    A["データ送信元"] -- データ量 (Byte) --> B("データ変換")
    B -- データ量 (bit) --> C{"転送時間計算"}
    D["ネットワーク"] -- 帯域幅 (bps) --> C
    C -- 転送時間 = データ量(bit) / 帯域幅(bps) --> E["データ受信先"]

要点

  • 転送時間は「データ量(ビット) ÷ 帯域幅(bps)」で算出する。
  • データ量(バイト)と帯域幅(ビット/秒)の単位を必ず統一する。
  • 1バイト = 8ビットの換算を正確に行う。
  • キロ(K)、メガ(M)、ギガ(G)などの接頭辞は、通信分野では通常10の3乗単位で計算する(例: 1Mbps = 1,000,000bps)。
  • 実効スループットが提示されている場合は、理論帯域幅よりもそちらを優先して計算する。
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