平成31年度 春期 ネットワーク 午前Ⅱ 問4 SLAと信頼性指標

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平成31年度 春期 ネットワーク 午前Ⅱ 問4 SLAと信頼性指標

SLAで重要な稼働率を評価する、信頼性指標(MTBFとMTTR)の関係を問う、サービスマネジメントの基礎知識を確認する問題です。

【問題】

システムの信頼性指標であるMTBF(平均故障間隔)とMTTR(平均修復時間)に関する記述のうち、システムの稼働率向上に最も寄与するものはどれか。

ア. MTBFを短縮し、MTTRを延長する。 イ. MTBFを延長し、MTTRも延長する。 ウ. MTBFを延長し、MTTRを短縮する。 エ. MTBFを短縮し、MTTRも短縮する。

【解説】 本問は、システムの信頼性(Availability: 稼働率)を定義する二つの主要な指標、MTBF(Mean Time Between Failures)とMTTR(Mean Time To Repair)の関係性を理解しているかを問うものです。

1. 信頼性指標の定義

指標 名称 意味
MTBF 平均故障間隔 システムが故障してから次の故障が発生するまでの平均時間。システムの「壊れにくさ」を示し、値が大きいほど信頼性が高い。
MTTR 平均修復時間 システムが故障してから修復が完了し、再び稼働状態に戻るまでの平均時間。システムの「復旧の速さ」を示し、値が小さいほど保守性が高い。

2. 稼働率(Availability: A)の計算

システムが利用可能な状態にある時間の割合を示す稼働率は、MTBFとMTTRを用いて以下の式で算出されます。

$$ A = \frac{MTBF}{MTBF + MTTR} $$

この数式から、稼働率 $A$ を最大化するためには、分子である MTBF を大きくし、分母を小さくするために MTTR を小さくすればよいことがわかります。

  • MTBFを長くする(故障しにくい設計、高品質な部品)。

  • MTTRを短くする(迅速な修理体制、冗長化の活用)。

したがって、稼働率の向上に最も寄与するのは「MTBFの延長」と「MTTRの短縮」の組み合わせです。

【選択肢の吟味】

選択肢 判定 解説
ア. MTBFを短縮し、MTTRを延長する。 誤り 稼働率の分子(MTBF)を小さくし、分母(MTBF+MTTR)を大きくするため、稼働率は大幅に低下します。最も望ましくない状態です。
イ. MTBFを延長し、MTTRも延長する。 誤り MTBFの延長は稼働率向上に寄与しますが、MTTRの延長(復旧時間の長期化)は稼働率低下の要因となります。向上効果が相殺されるか、低下する可能性があります。
ウ. MTBFを延長し、MTTRを短縮する。 MTBF(分子)を大きくし、MTTR(分母の一部)を小さくするため、稼働率を最大化します。
エ. MTBFを短縮し、MTTRも短縮する。 誤り MTBFの短縮(故障しやすくなること)は稼働率低下の主要因です。MTTRの短縮による改善効果を上回るため、総合的には稼働率は低下する傾向にあります。

【ポイント】

  1. 稼働率の決定要因: 稼働率 $A = MTBF / (MTBF + MTTR)$ の数式を理解すること。

  2. MTBFと信頼性: MTBFはシステムの「壊れにくさ」を示し、値が長いほど信頼性が高い。

  3. MTTRと保守性: MTTRはシステムの「復旧の速さ」を示し、値が短いほど保守性が高い。

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