令和4年度 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1 BGP-4の経路制御
BGP-4におけるASパス属性の役割を問う問題。ループ回避と最短経路選択のメカニズムを理解することが解法の鍵である。
【問題】
BGP-4において,ASパス属性を利用して行われることはどれか。
ア AS内部のルーティングループの検出 イ AS間でのルーティングループの検出 ウ 宛先IPアドレスからAS番号への変換 エ 隣接ASとの間でのキープアライブの通知
【解説】
BGP-4(Border Gateway Protocol version 4)は、インターネット上の自律システム(AS)間をつなぐパスベクトル型のルーティングプロトコルです。
ASパス属性(AS_PATH)とは、経路情報が通過してきたAS番号のリストを格納する属性です。ルータがBGPアップデートを受信した際、ASパス属性の中に「自分自身のAS番号」が含まれているかを確認します。
ループ検出の仕組み: 自分のAS番号がリストにあれば、その経路は既に自組織を通過して戻ってきた「ループ経路」であると判断し、破棄します。
経路選択(ベストパス選択): 複数の経路がある場合、原則としてASパス属性に含まれるAS数が最も少ない(ASホップ数が最小)経路を優先します。
graph LR
AS1("#quot;(AS 1#quot;)") -->|"Update"| AS2("#quot;(AS 2#quot;)")
AS2 -->|"Update('Path: 1,2')"| AS3("#quot;(AS 3#quot;)")
AS3 -->|"Update('Path: 1,2,3')"| AS1
subgraph mermaid_group_4["Loop Detection"]
AS1 ---|"'Contains 1? Yes -> Discard' -"| AS1
end【選択肢の吟味】
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| ア | × | AS内部(iBGP)では、スプリットホライズン等の仕組みでループを防ぎ、ASパス属性は通常更新されません。 |
| イ | 〇 | ASパス属性に自AS番号が含まれているかを確認することで、AS間のループを確実に検出します。 |
| ウ | × | 経路制御の役割であり、IPアドレスとAS番号の静的な対応関係を定義するものではありません。 |
| エ | × | キープアライブはBGPセッションの維持を確認するための独立したメッセージであり、属性ではありません。 |
【ポイント】
ループ回避: ASパス属性に自AS番号があれば経路情報を破棄する。
パスベクトル型: 距離(ホップ数)ではなく、通過するASのリストで経路を管理する方式。
ベストパス選択: ASパスの長さ(ASホップ数)が短い経路が優先される。

