令和4年度 ITストラテジスト試験 午前Ⅱ 問1 PPMの分類
市場成長率と相対的シェアから事業の資金収支を分析し、資源配分の優先順位を決定するPPMの基本概念を問う問題です。
【問題】 PPMにおいて、市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い事業はどれか。
ア 花形 イ 金のなる木 ウ 負け犬 エ 問題児
【解説】
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、経営資源を「市場成長率」と「相対的市場占有率」の2軸からなるマトリックスに分類し、最適配分を検討する手法です。
市場成長率(縦軸):その市場がいかに拡大しているか。高いほど設備投資や運転資金の需要が大きくなります。
相対的市場占有率(横軸):競合他社に対する自社のシェア。高いほど規模の経済が働き、キャッシュの流入(収益)が大きくなります。
本問の「市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い」状態は、新たな投資は不要(成長率低)でありながら、高い収益(占有率高)が得られる状態を指します。
quadrantChart
title PPMマトリックス
x-axis 低い(シェア) --> 高い(シェア)
y-axis 低い(成長率) --> 高い(成長率)
quadrant-1 問題児
quadrant-2 花形
quadrant-3 負け犬
quadrant-4 金のなる木
各カテゴリの資金収支(キャッシュフロー)の関係は以下の通りです。 $$資金収支 = キャッシュ流入(占有率に依存) – キャッシュ流出(成長率に依存)$$
【選択肢の吟味】
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| ア | × | 花形(Star):成長率・占有率共に高い。収益は大きいが、競争維持のための投資も多額で、収支は均衡しやすい。 |
| イ | ○ | 金のなる木(Cash Cow):成長率は低いが占有率は高い。追加投資を抑えつつ利益を回収し、他事業への資金源となる。 |
| ウ | × | 負け犬(Dog):成長率・占有率共に低い。収益性が低く、将来性も見込めないため、撤退や縮小の検討対象となる。 |
| エ | × | 問題児(Question Mark):成長率は高いが占有率は低い。将来の「花形」にするために多額の資金投入が必要な段階。 |
【ポイント】
資金の供給源:金のなる木で得たキャッシュを、問題児や花形へ投資する流れを理解する。
二軸の定義:縦軸は「市場の魅力(投資の必要性)」、横軸は「自社の強み(収益性)」を指す。
相対的占有率:単なるシェアではなく、業界首位企業(自社が首位なら2位企業)との比率で測定される。

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