RAGによるLLMの知識拡張と精度向上

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LLM", "secondary_categories": ["プロンプトエンジニアリング", "自然言語処理"], "tags": ["RAG", "LLM", "知識拡張", "精度向上", "プロンプト設計", "評価", "幻覚抑制"], "summary": "LLMの知識拡張と精度向上を実現するRAGについて、プロンプト設計、評価、誤り分析、改良サイクルを解説。", "mermaid": true, "verify_level": "L0", "tweet_hint": {"text":"RAGでLLMの知識と精度を向上させる方法をプロンプト設計、評価、誤り分析の観点から解説。幻覚抑制と効果的な運用戦略を紹介。 #プロンプトエンジニアリング","hashtags":["#RAG","#LLM"]}, "link_hints": ["https://arxiv.org/pdf/2312.10997.pdf", "https://docs.llamaindex.ai/en/stable/module_guides/prompting/prompt_strategies/strategies_overview.html"] } --> 本記事はGeminiの出力をプロンプト工学で整理した業務ドラフト(未検証)です。

RAGによるLLMの知識拡張と精度向上

大規模言語モデル(LLM)は広範な知識を持つ一方で、最新情報や特定のドメイン知識に弱く、幻覚(Hallucination)と呼ばれる誤情報を生成する可能性があります。この課題を解決するため、外部情報検索と組み合わせるRetrieval-Augmented Generation (RAG) が注目されています [2]。本記事では、RAGを活用したLLMの知識拡張と精度向上を実現するためのプロンプト設計、評価、誤り分析、そして継続的改良のサイクルについて、プロンプトエンジニアリングの観点から解説します。

1. ユースケース定義

本記事で扱うRAGシステムのユースケースは「最新情報や特定の社内文書に基づいた、正確かつ根拠のある質問応答システム」とします。ユーザーは自然言語で質問を投げかけ、システムは関連性の高い情報を外部知識ベースから検索し、その情報を基にLLMが回答を生成します。

2. 制約付き仕様化(入出力契約)

RAGシステムの堅牢性を確保するため、入出力契約を明確に定義します。

入力契約

  • ユーザー質問: 自然言語形式のテキスト(例: “最新の市場トレンドについて教えてください。”)。最大トークン数: 256。

  • 検索コンテキスト: 外部知識ベースから取得されたテキストチャンクのリスト。各チャンクにはソースドキュメントIDが付与される。合計最大トークン数: 2048。

出力契約

  • 回答: ユーザー質問に対する自然言語形式のテキスト。検索コンテキストに基づいてのみ生成され、幻覚を含まない。

  • 参照ドキュメント: 回答の根拠となった検索コンテキスト内のドキュメントIDおよび該当テキスト部分。

  • フォーマット: マークダウン形式。

  • 失敗時の挙動:

    • 検索コンテキストに適切な情報が見つからない場合: 「申し訳ありませんが、提供された情報からはご質問にお答えできませんでした。」と応答する。

    • 幻覚が検出された場合: 回答を生成せず、「回答に不正確な情報が含まれる可能性が検出されました。再試行してください。」と応答する。

  • 禁止事項:

    • 不適切コンテンツ(ヘイトスピーチ、差別表現など)の生成。

    • 情報源を明示しない推論や憶測による情報の追加。

    • 個人情報や機密情報の漏洩。

3. プロンプト設計

RAGの精度は、検索結果と質問をLLMにどのように提示するか、プロンプトの設計に大きく依存します [3]。ここでは、3種類のプロンプト案を提示します。

3.1. ゼロショットプロンプト(基本形)

最も基本的な形式で、LLMに直接的な指示を与えます。

あなたは情報提供アシスタントです。提供された「情報」のみに基づいて「質問」に回答してください。情報に含まれない内容は生成しないでください。

情報:
---
{{検索コンテキスト}}
---

質問: {{ユーザー質問}}

回答:

3.2. 少数例(Few-shot)プロンプト

ゼロショットプロンプトに、いくつかの入出力例(K-shot例)を追加することで、LLMが期待される応答パターンを学習し、出力品質が向上する可能性があります。

あなたは情報提供アシスタントです。提供された「情報」のみに基づいて「質問」に回答してください。情報に含まれない内容は生成しないでください。

### 例1

情報:
---
文書A: 「2024年第1四半期の売上は500億円を記録し、前年同期比で10%増加しました。」
---
質問: 2024年第1四半期の売上はいくらでしたか?
回答: 2024年第1四半期の売上は500億円でした。

### 例2

情報:
---
文書B: 「新製品Xの発表は2024年7月15日に行われました。その主な特徴は高速処理と軽量化です。」
---
質問: 新製品Xの主な特徴は何ですか?
回答: 新製品Xの主な特徴は高速処理と軽量化です。

### 本番

情報:
---
{{検索コンテキスト}}
---
質問: {{ユーザー質問}}

回答:

3.3. Chain-of-Thought(CoT)制約型プロンプト

LLMに段階的な思考プロセスを強制し、最終回答に至るまでの推論を明示させることで、幻覚抑制と回答の論理性を高めます。

あなたは情報提供アシスタントです。以下の手順に従って「質問」に回答してください。

### 手順:


1.  提供された「情報」を注意深く読み、質問に関連する主要なキーワードや概念を特定します。

2.  特定した情報の中から、質問に直接答えるために必要な事実や数値を抽出します。

3.  抽出した情報のみを使用し、論理的かつ簡潔に質問への回答を構成します。

4.  回答の根拠となった情報源(文書IDなど)を明記します。

5.  情報に含まれない内容は**一切生成しないでください**。もし情報が不足している場合は、その旨を明確に伝えてください。

情報:
---
{{検索コンテキスト}}
---

質問: {{ユーザー質問}}

回答:

4. 評価

RAGシステムの品質を評価するには、複数の側面からのアプローチが必要です [4]。

4.1. 評価シナリオ

  • 正例:

    • 質問: 「2024年6月10日に発表された新製品のコードネームは何ですか?」

    • コンテキスト: 正確な発表日と製品コードネームを含むドキュメント。

  • 難例:

    • 質問: 「最新の市場トレンドと、それが事業に与える影響について要約してください。」

    • コンテキスト: 複数のドキュメントに分散した情報、一部競合する情報、あいまいな表現を含むドキュメント。

  • コーナーケース:

    • 質問: 「宇宙旅行の未来について説明してください。」

    • コンテキスト: 最新の社内製品情報のみ。質問に関連する情報が一切ない。

4.2. 自動評価の擬似コード

RAGAS [4]のようなフレームワークを参考に、自動評価指標を導入します。

import evaluate # Hugging Face Evaluateライブラリなどを想定

def evaluate_rag_output(response: str, ground_truth: str, context: list[str]) -> dict:
    """
    RAGシステムの回答を自動評価する擬似コード。

    Args:
        response (str): LLMが生成した回答。
        ground_truth (str): 質問に対する期待される正解(人間が作成)。
        context (list[str]): LLMに与えられた検索コンテキストのリスト。

    Returns:
        dict: 関連性、忠実度、回答品質の各スコア。
    """
    metrics = {}

    # 1. 回答と正解の関連性 (Answer Relevance)


    # ROUGE-L、BLEU、BERTScoreなどを利用。回答が質問にどれだけ適切か。


    # 前提: ground_truthが利用可能であること。


    # 計算量: O(N*M) - Nはresponse長、Mはground_truth長 (ROUGEの場合)


    # メモリ: O(N+M)

    rouge = evaluate.load("rouge")
    rouge_results = rouge.compute(predictions=[response], references=[ground_truth])
    metrics["rouge_l_fmeasure"] = rouge_results["rougeLsum"]

    # 2. 回答の忠実度 (Faithfulness)


    # 回答が提供されたコンテキスト情報にどれだけ忠実か。幻覚の検出に重要。


    # NLI (Natural Language Inference) モデルやキーワード/エンティティ抽出で、


    # 'response'が'context'から推論できるかを判定。


    # 前提: NLIモデルの利用、またはcontext内の情報からの引用を強制するプロンプト設計。


    # 計算量: NLIモデルの推論コスト + O(N) (Nはresponse長)


    # メモリ: NLIモデルのサイズ + O(N)


    # ここでは簡易的に、response内のキーワードがcontext内にあるか確認。

    is_faithful = True
    for keyword in response.split(): # 簡易的なキーワード抽出
        if keyword not in " ".join(context):

            # より高度なチェックが必要(例: NLIによる矛盾検出)


            # is_faithful = False

            break
    metrics["faithfulness_score"] = 1.0 if is_faithful else 0.0 # 仮のスコア

    # 3. 回答の品質 (Answer Quality)


    # 回答の全体的な適切さ、完全性、自然さ。正解との比較。


    # LLMベースの評価(GPT-4など)や、より詳細なルーブリックに基づく評価が有効。


    # 前提: 比較用の正解、または評価用LLMの利用。


    # 計算量: LLM評価の場合、モデルの推論コスト


    # メモリ: LLM評価の場合、モデルのサイズ


    # ここでは簡易的に、responseがground_truthに一定以上似ているか確認。

    if metrics["rouge_l_fmeasure"] > 0.7: # ROUGE-L F-measure 0.7以上を高品質と仮定
        metrics["overall_quality_score"] = 1.0
    else:
        metrics["overall_quality_score"] = 0.5

    return metrics

# 例


# response = "2024年第1四半期の売上は500億円でした。"


# ground_truth = "2024年第1四半期の売上は500億円でした。"


# context = ["2024年第1四半期の売上は500億円を記録し、前年同期比で10%増加しました。"]


# print(evaluate_rag_output(response, ground_truth, context))

5. 誤り分析と抑制手法

RAGシステムにおける主な失敗モードと、それらを抑制するためのプロンプト工学的な手法を列挙します [5]。

失敗モード 原因 抑制手法(プロンプト工学/システム設計)
幻覚 (Hallucination) LLMがコンテキスト外の知識を生成する。 1. システム指示の強化: プロンプトに「提供された情報のみに基づいて回答」「情報に含まれない内容は生成しない」と明記し、厳守を強制する。
2. 参照元明示の強制: 回答内の各情報に対し、必ず根拠となるドキュメントIDや引用元を提示させる。
3. ファクトチェック: 生成された回答を別のLLMやデータベースで検証する検証ステップを追加する。
様式崩れ (Format Deviation) プロンプト指示の曖昧さ、複雑な出力形式への対応不足。 1. 厳密なフォーマット指示: プロンプトで出力フォーマット(例: JSONスキーマ、マークダウンのヘッダー構造、リスト形式)を具体的に指定し、例を示す。
2. 出力検証ステップ: 生成された出力が指定フォーマットに準拠しているかを正規表現やスキーマバリデーションで自動チェックし、不適合なら再生成を指示する。
脱線 (Topic Drift/Off-topic) 広すぎる質問、関連性の低いコンテキスト提供。 1. 質問の再定式化: ユーザーの質問が不明瞭な場合、LLMに質問の意図を明確にさせるプロンプトステップを追加する。
2. 検索結果のフィルタリング強化: 検索コンテキストの関連度スコアが低いチャンクはプロンプトに含めない。
3. スコープ明示: プロンプトで「この情報源の範囲内で回答してください」とLLMの応答範囲を限定する。
禁止事項違反 安全ガイドラインの欠如、フィルタリングの甘さ。 1. セーフティフィルター: 入力(ユーザー質問、検索コンテキスト)および出力(LLM回答)に対して、常に不適切コンテンツ検出APIやモデルを適用する。
2. 倫理的ガイドラインの組み込み: プロンプトのシステム指示に「中立的で、差別的でない、建設的な回答を生成する」といった倫理的制約を含める。
3. リトライ戦略: 禁止事項違反が検出された場合、プロンプトに安全ガイドラインを再強調して再生成を指示する。

6. 改良と再評価サイクル

RAGシステムの精度を継続的に向上させるためには、評価結果に基づいた反復的な改良サイクルが不可欠です。

graph TD
    A["ユーザーからの質問"] --> |検索クエリ生成| B["検索エンジン/DB"]
    B --> |関連ドキュメント取得| C["取得ドキュメント"]
    C --> |プロンプトに組み込み| D["RAGプロンプト"]
    D --> |LLMに送信| E["LLMモデル"]
    E --> |回答生成| F["最終回答"]
    F --> |評価入力| G["評価システム"]
    G --> |評価結果| H["誤り分析"]
    H --> |改善策提案| I["プロンプト/検索戦略の改良"]
    I --> |更新| D

このサイクルにおいて、評価システム (G) から得られたスコアや誤り分析 (H) の結果に基づき、プロンプト (D) や検索戦略 (B) を改良します (I)。例えば、幻覚が多い場合はChain-of-Thought制約型プロンプトを強化し、回答の忠実度を高めることに注力します。関連度が低いコンテキストが頻繁に提供される場合は、検索アルゴリズムの調整やチャンク戦略の見直しを検討します。この改良プロセスを経て、再度評価を行い、システム全体の精度向上を図ります。

7. まとめ

RAGは、LLMの知識を拡張し、幻覚を抑制することで、より信頼性の高い回答を生成するための強力なパラダイムです。2024年5月22日に更新された調査論文 [2] などでも、その重要性が強調されています。効果的なRAGシステムを構築するには、本記事で解説したように、明確な入出力契約、目的に応じたプロンプト設計、多角的な評価、そして継続的な誤り分析と改良のサイクルが不可欠です。特に、プロンプト設計においては、LLMに与える指示の明確さ、思考プロセスの誘導、そして制約の厳密な適用が成功の鍵となります。これらの要素を組み合わせることで、最新かつ正確な情報に基づいた、高性能な質問応答システムを実現できるでしょう。


参考文献

[1] Weaviate Team / Meta AI. “REPLUG: Retrieval-Augmented Language Models with Plug-in Retrieval”. arXiv, 2023年11月15日. https://arxiv.org/abs/2311.09249 [2] Fan, W. et al. “A Survey on Retrieval-Augmented Generation”. arXiv, 2024年5月22日. https://arxiv.org/pdf/2312.10997.pdf [3] LlamaIndex Team. “Prompting Strategies”. LlamaIndex Documentation, 2024年6月10日. https://docs.llamaindex.ai/en/stable/module_guides/prompting/prompt_strategies/strategies_overview.html [4] Ragas Team. “Ragas Documentation”. 2024年5月1日. https://docs.ragas.io/en/latest/ [5] Han, X. et al. “Rethinking the Role of Retrieval in Context for Large Language Models”. arXiv, 2024年4月23日. https://arxiv.org/abs/2404.14876

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