令和5年度 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅱ 問5 STPのルートポート選定
スパニングツリープロトコル(STP)におけるルートポート選定の仕組みを問う問題です。各経路の累積パスコストを比較する解法が基本となります。
【問題】 図のネットワークにおいて、STP(Spanning Tree Protocol)が動作している。スイッチ1のブリッジ優先度が最も低いとき、スイッチ4のルートポートとして、適切なものはどれか。ここで、パスコストは IEEE 802.1t に基づき、1Gbps は 4、100Mbps は 19 とし、その他の優先度はすべて等しいものとする。
(図の構成) ・スイッチ1(ルートブリッジ) ・スイッチ1 ―(1Gbps)― スイッチ2 ・スイッチ1 ―(100Mbps)― スイッチ3 ・スイッチ2 ―(1Gbps)― スイッチ4(ポートA) ・スイッチ3 ―(1Gbps)― スイッチ4(ポートB)
【解説】 STPにおいて、ルートブリッジ以外の各スイッチ(非ルートブリッジ)は、ルートブリッジに最も近い(コストが最小の)ポートを1つ「ルートポート」として選定します。
選定のステップは以下の通りです。
ルートブリッジの特定: 本問ではスイッチ1がルートブリッジと指定されています。
パスコストの計算: 各ポートからルートブリッジまでの「累積パスコスト」を計算します。
最小コストの選択: 累積コストが最小のポートをルートポートにします。
スイッチ4からルートブリッジ(スイッチ1)への経路は以下の2通りです。
経路1:スイッチ4(ポートA)→ スイッチ2 → スイッチ1 $$累積コスト = (S4 \text{~} S2) + (S2 \text{~} S1) = 4 + 4 = 8$$
経路2:スイッチ4(ポートB)→ スイッチ3 → スイッチ1 $$累積コスト = (S4 \text{~} S3) + (S3 \text{~} S1) = 4 + 19 = 23$$
比較の結果、ポートAの累積コスト(8)の方がポートB(23)よりも小さいため、ポートAがルートポートに選ばれます。
graph TD
S1("'(S1: Root')") -->|"1Gbps: Cost 4"| S2("(S2)")
S1 -->|"100Mbps: Cost 19"| S3("(S3)")
S2 -->|"1Gbps: Cost 4"| S4("(S4)")
S3 -->|"1Gbps: Cost 4"| S4
style S4 stroke-width:4px
linkStyle 0,2 stroke:red,stroke-width:2px
【選択肢の吟味】
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| ポートA | 正解 | スイッチ2を経由する経路の累積パスコストが 8 となり、最小であるため。 |
| ポートB | 不正解 | スイッチ3を経由する経路は、100Mbpsのリンク(コスト19)を含むため累積 23 となり、ポートAより大きい。 |
| ポートC | 不正解 | 問題文の構成上、スイッチ4にポートCは定義されていないか、ルートへの経路ではない。 |
| ポートD | 不正解 | 同上。 |
【ポイント】
累積コストの算出: 自身のポートのコストだけでなく、ルートブリッジに至るまでの全リンクのコストを合算する。
標準コスト値: IEEE 802.1t では 10Mbps=100、100Mbps=19、1Gbps=4、10Gbps=2。
優先順位: コストが同値の場合は「送信元ブリッジID」「送信元ポートID」の順で比較する。

